Raspberry Piも2018年3月にPi3Model B+が発売され、クロックスピードが1.4GHzと高速になった。ラズパイはCPUとクロックが決まっているので、買った時点でスピードが決まってしまうと考えていたが、WindowsPCでHDをSSDに入れ替えてぐんとスピードアップするように、ラズパイもmicroSDカードを選ぶことで、操作感としてスピードアップができる。(というよりは、動作の遅い原因はmicroSDだったということ。)
この記事は以下のサイトを参考にした。
【 続報 ③ 】Raspberry Pi 3 Model B+での各種ストレージ別ベンチマークを敢行! 第1弾
https://www.fabshop.jp/%E3%80%90-%E7%B6%9A%E5%A0%B1-%E2%91%A2-%E3%80%91raspberry-pi-3-model-b%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%90%84%E7%A8%AE%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E5%88%A5%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E/SDカードのスピード
OSの入っているmicroSDカードは、たぶんclass10を使っていると思うが、これは最低転送スピードが10MB/sを保証しているだけで、店頭でよく見ると最高動作スピードがいろいろあることが分かる。商品に書かれている「高速動作!」などという言葉に惑わされずに、最高動作スピードを見て購入したい。様々な転送速度の製品があるが、必ずしもスピードの早いものが高価なわけではない。
ベンチマークテスト
ベンチマークテストにはsysbenchを使う。上記の参考サイトでは、テストするメディアにOSをコピーして立ち上げ、sysbenchを動かして比較をしていたが、USBポートにカードリーダーをつけてテストすることもできる。メディアを比較するのであれば、この方法でもいいと思う。
SSDは速い
参考サイトにもあるが、SSDのスピードは別格だ。ラズパイは設定によってUSBポートに接続したメディアからも立ち上げができるが、(以下のサイト参照)この方法でSSDを接続、実際にベンチマークテストをすると、数倍の速さになる。動かしても、サクサクと実に軽快。ただし設定もあるのかもしれないが、電源を入れてから動くまでの立ち上がりが遅く、SSDの物理的な固定方法も考えないといけないので、速いからといって一概には勧められない。
SSDを2つ使ってSWAP領域を拡大するなど、ブラウザで多くのサイトを開いてもスピードが落ちないようにもできるようだ。
ベンチマークテストをする
(1)クロックの周波数を固定する
ラズパイは状況に応じてクロックの周波数を変えているようだ。発熱や消費電力を考えてのことだろうが、ベンチマークテストをするときは、最高速度に固定することが必要らしい。(固定しなくとも大きな違いにはならないようなので、概略を見るのであれば省略も可能。)
詳細は以下のサイトを参照。
【 続報 ② 】Raspberry Pi 3 Model B+のCPUクロックを確認してみた!
https://www.fabshop.jp/%E3%80%90-%E7%B6%9A%E5%A0%B1-%E2%91%A1-%E3%80%91raspberry-pi-3-model-b%E3%81%AEcpu%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F%EF%BC%81/
参考サイトに従って、cpufrequtilsをインストールする。
続いて現在のクロック周波数が分かるように、タスクバーにCPUFreqのアプレットを追加する。
/etc/init.dディレクトリーにあるcpufrequtilsファイルを編集してクロックを最高速度に固定できるようにする。
なお最高速度に固定するには、起動するたびに設定ファイルをrestartさせる必要がある。
LXTerminalから以下のように入力。
$ sudo /etc/init.d/cpufrequtils restart
タスクバーにマウスを持って行って最高周波数になっているかを確認する。
これも【続報③】を参照。
メニュー → 設定 → 「Add / Remove Software」からsysbenchを検索、インストールする。
(3)ベンチマーク用にテストファイルを作る。
$ sudo sysbench --test=fileio prepare
標準では16BMBのファイルを128個作成するので、テストのための空き容量は2GBほど必要。
ファイルマネージャで見ているとファイルが出来ていくので進行状況が分かるが、作成まで少し時間がかかる。
(4)ベンチマークテスト開始
$ sysbench --test=fileio --file-test-mode=rndrw run
通常1分以内で終わるが、手持ちの40MB/sのSDカードだと、数十分かかった。
(クロックの周波数を固定しないと、このときに周波数が変化するのが見える。)
結果は次のように出る。
![]() |
○で囲んでいる部分が転送速度 |
(5)テストファイルを削除する。
$ sudo sysbench --test=fileio cleanup
(6)USBポートに接続したメディアのベンチマークテスト
ディレクトリーをUSBポートに接続したメモリに移動してから上記の作業を行うことで、ベンチマークテストが可能。(ただ、この方法でSSDメモリをテストしようとしたが、うまくいかなくて、結局USBポートに接続したSSD(OSコピー済み)から立ち上げてベンチマークテストを行った。)
USBポートにメモリを接続すると、ファイルマネージャが立ち上がり、そのディレクトリーが分かる。LXTerminalから例えば以下のように入力することで、USBメモリにディレクトリを移動することができる。
![]() |
USBポートにSDカードを接続したときのファイルマネージャ |
![]() |
USBメモリーにディレクトリを移動、 ここからsysbenchを動かす。 |
ラズパイは、通常OSの入ったmicroSDカードをカードスロットに差し込んでおいて起動させるが、Raspberry Pi 3 Model B+では、標準でUSBに接続した外部メディアからRaspbianを起動することができる。
それ以前のModel Bなどでは、USB Boot Modeに設定しないとできない。その方法は以下のサイトの「Program USB Boot Modeの有効化」を参照。
【STEP-26】Program USB Boot Modeで、SSDからRaspbian起動
https://www.fabshop.jp/%E3%80%90step-26%E3%80%91program-usb-boot-mode%E3%81%A7%E3%80%81ssd%E3%81%8B%E3%82%89raspbian%E8%B5%B7%E5%8B%95/
こうすることで、SSDから起動することも可能になる。また、microSDカードスロットに差し込んだmicroSDカードを抜いてUSBにカードリーダー経由で接続し、USB Bootとすることもできる。これでベンチマークテストをしてみると、USB Bootの方が少し遅いことが分かった。
※SSDからの起動については、トラブルも発生したので別途投稿。
※SSDからの起動については、トラブルも発生したので別途投稿。
テスト結果
各種メディアの転送速度は次の通り。
GREEN HOUSE・・・8.7Mb/s
読み込み最大80MB/s 書き込み最大15MB/s |
転送速度不明 UHSスピードクラス 1 SDスピードクラス 10 |
Max Read Speed 40MB/s |
SSDはUSB2.0のHDケースに入れて使用。53.0Mb/s |
SATA-USB3.0変換ケーブルを使用。20.0Mb/s |
東芝の16GmicroSDが、Max Read Speed 40MB/sとある割には、ほとんどスピードが出なかった。ただ、実際にRaspbianをコピーして使った時は、ちょっともたつく感じはあるものの、まったく使用に耐えないというものではなかった。
Mag-Lab japanの製品は、転送速度がは明記されていないが、一応UHSスピードクラス1、SDスピードクラス10。税別500円の特価品の割にはそこそこのスピード。
SSDは、参考にしたサイトでは59.9MB/sという値が出ていたので期待した。
測定してみると、SSDとUSBの変換で違いが出て、USB2.0のHDDケースを使用した場合は、最大53.0Mb/sが出た。USB3.0の変換ケーブル(参考サイトで使用していたもの)を使用した場合は、最大20.0Mb/sしか出なかった。(何回かテストをして最良値を記載)
しかしこれでもUSB Bootで使用すると非常に快適。
手持ちのmicroSDカードはいずれも1000円以下の安いもの。もっと高くても良ければ、スピードの早いものがあるので高速動作が期待できるが、残念ながらそのテストはしていない。